
ストレス社会と言われるこの時代、うつ病はもはや特別な人のものなどではなく、誰しもがなりうる病気となりました。職場や家庭での人間関係、仕事のプレッシャーなどで心を病んでしまうケースは数多く見られます。うつ病について何か心当たりがある場合には、恥ずかしいこととして我慢したり隠したりするのではなく、一日でも早く治療の方法を探すことが重要です。うつ病の検査は特に特別なことはなく、風邪を引いたら病院に行って診てもらったり虫歯がある時に歯医者で治療したりするのと特に変わりありません。病院の精神科で普通に受付をし、現在困っていることや、これまでかかった病気などについて伝えます。この時、服用している薬の有無などの確認もされます。その後、体重や血圧の測定、尿や血液検査などの基本的な検査を受けることになります。これにより、体に何か異常がないか確認したり、うつ病と体の異常の関係を調べたりすることになります。最終的には医師の診察があり、自分の置かれている状況や悩みなどについて詳細に話をすることになります。医師はその話の内容や患者の表情などから病状についての診断をします。患者のことを良く知る人が同席していると、第三者の客観的なコメントが得られるため、病気について判断するのに役立つことがあります。いざ勇気を出してうつ病の治療のために病院で検査や診察を受けたとしても、その費用は患者にとって大きな懸念事項になり得ます。普通の風邪や短期的な怪我などとは異なり、うつ病のような心の病気はいつ完治するか誰にも分かりませんし、長期的に付き合う必要がある可能性が高いと言えます。必要になる費用ですが、月に数回通院すると仮定しておよそ1万円から2万円ほど必要になると考えておくと良いでしょう。ただしうつ病の場合、基本的な治療であれば健康保険が適用されるため患者の自己負担は3割に抑えることができます。またその人の所得状況によっても変わりますが、自立支援医療制度のように医療費の負担額に上限が設けられ、治療に専念ができるように考えられた制度もあります。また会社員などの場合には、病気により休職しなければならないような状況であっても、傷病手当金の申請が可能なので、仕事を辞めなければ収入が完全になくなってしまうという事態には陥りません。うつ病は、治療を開始してから半年ほどで3割弱の患者が回復するとも言われています。何も行動を起こさずに自分で悩み続けるのではなく、専門家に相談して適切な治療を受けることが最善な方法であると考えられます。